きょうは母の日

2024.5.12

青葉繁る好季節を迎えておりますが、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。日頃は読売新聞をご愛読いただき誠にありがとうございます。 

五月はのびる月とも言われます。日がのびる、草木ものびる、気持ちも前向きになってくるから心ものびのびとしてくる。五月とは万物がのびやかになる月なのでしょうね。 

先日伺った話を紹介させてください。 

A子さんは四人兄弟の二番目、ひと月ほど前、久方ぶりに兄弟全員が山形の実家に顔を揃えたそうです。八十八歳になるお父さんは、皆忙しいのだからわざわざ集まる必要はないと言っていましたが、いざ皆の顔を見れば嬉しさを隠せないご両親でした。 

その日の夕食は、昔の家族六人に戻り大いに盛り上がったそうです。宴もたけなわの頃、A子さんは傍らで子供たちの話を黙って聞いているお母さんに目がいきました。「お母さん、ずいぶん小さくなっちゃったなぁ」、そう感じた時、彼女は何か深い感慨にとらわれたそうです。

 「…私の原点はここにあるのだなぁ。父と母がいて今の自分がある。これを忘れてしまったら芯のない人間になってしまうな」と。 

話を聞きながら、自分も若い頃、母親につらくあたり悲しませてしまったことを思い出していました。 

青春が時に難破しそうな小舟ならば、母親はその舟を守る灯台かもしれません。凪いでいる時は優美な白い姿で、嵐になれば強い光を放って船を守る灯台。その存在の大きさに改めて感謝の気持ちがつのります。 

一年半前に最愛のお母さまを見送ったSさんの思いです。「名曲『涙そうそう』を聞くと歌詞のひとつひとつが胸に刺さってくるんですよ。あんなにおしゃれだったあの母が、晩年は日に日に弱っていく。思い出すだけで、さみしくなって会いたくなって涙が止まらなくなるんです」。 

つらくあたってしまったあの日、小さくなった母の姿に衝撃を受けたあの時、今は亡き母への思慕。やはり母とは偉大です。 

きょうは母の日。日頃は言えない感謝の気持ちを言葉にしたいと思います。

 「おふくろさん! 母さん! ママ! いつもありがとう、いつまでも元気でね」。

PAGE TOP