きょうは母の日
2023.5.14
先日、穏やかな陽気に誘われ、井の頭公園を散策して
きました。深緑の木々から吹き込む風の心地よさ、野鳥
たちのさえずりや咲きこぼれる花花に久しく忘れていた
幸福感をいただきました。
改めまして、日頃は読売新聞をご愛読いただき誠にありがとうございます。
母の日にあなたは何をしてあげますか?
小学五年生のA子さんは「毎日頑張るお母さんに肩もみ券をプレゼントしたい」。中学三年のB君は「喧嘩をして怒鳴り声を出してしまった。謝りの手紙を書きたい」。四十歳になるC子さんは「母も年をとってきました。姉たちに声をかけ、焼肉屋に招待しちゃおうかな」。思っていてもなかなか出ない素直な言葉や優しさにホッとさせられます。
先のゴールデンウィーク、久方ぶりに各行楽地は連休を楽しむカップルや家族づれで大賑わいだったようです。おかげで迷子の数も記録的で、係の人たちはてんてこ舞でした。迷子の子供たちは三、四歳が多く、皆「ママ、ママ! お母さん、お母さん!」と泣き叫ぶばかりで「パパ、お父さん」と叫ぶ子は少なかったようです(笑)。まだあどけない幼子たち。きっとお母さんの胸で夢を見ていたい年頃なんでしょうね。
九十歳のお母さまを送った先輩から手紙を頂きました。「過日はご会葬いただきありがとう。それにしても分かっているとはいえ、寂しいものだね。昭和ひと桁生まれの母は、私たち兄弟に何事にも美しく生きなさいと言い続けた人だった。『嘘をつくな。打算を捨てろ、潔くしてなさい』躾に厳しい人だったが、今は感謝しかない」と結ばれていました。
手紙を読みながら、私も幼少期の痛恨事を思い出しました。それは立場の弱い子をからかった時のことです。私の目をじっと見て強く叱り諭す母、その目にあふれる涙を見て「いけないことをしてしまった」と反省したことを。
年を重ね、最近よく家人から「近頃ますます仕草はお父さんに、顔はお母さんに似てきたね」と言われます。「そんなことないだろう」と苦笑いしながらも、まんざらでもない自分がいます。
「かあさん! いくつになっても、何になっても、私はあなたの子供です」。
きょうは母の日。皆様どうぞそれぞれの思いの中で、今日という日をお過ごしください。