門出の季節(とき)

2023.陽春

  厳しい寒さと豪雪に見舞われた今年の冬、それでも寒さを突くように水仙や山茶花、椿たちがいつものように可憐な花をつけてくれました。でも自然は気まぐれで、三月になると暖かさが一気に進み、主役のソメイヨシノも開花の速度を早めたようです。
 

いつも読売新聞をご愛読いただき誠にありがとうございます。
 

四月は門出のとき。自分より大きなランドセルを背負ったピカピカの一年生が、一生懸命歩いている姿に胸を打たれます。ついこの間までよちよち歩きだった君たちが…。
 

ですが、今その子供たちが減り続けています。昨年は出生数が80万人を割ってしまい、放っておくと70万人代、60万人代と減少の加速度がつきそうです。「日本の最大の危機は少子化にあり」国あげての対策が必要でしょう。
 

コロナ禍も収束の見えたある日、うららかな陽気に誘われて街に
出れば、真新しいスーツを着た新社会人たちが。その初々しい姿は、
まるで急流をかけ上る若鮎のようで頼もしい限りです。「頑張れよ!
両親や周りの人への感謝の気持ちを忘れるなよ」。思わずひとりごち
ていました。
 

『侍ジャパン、世界一の快挙』。新聞の見出しが躍っています。まさ
に日本野球ここにありです。
 

準決勝での劇的なサヨナラ勝ち。決勝では王者アメリカを相手に
日本が誇る投手陣が抑え込んでの勝利でした。感動を超えた感動と
いうか、三月二十二日ほど日本人であることの喜びを感じた日はありませんでした。
 

栗山監督と若きサムライたちには心から「感動をありがとう」と伝えます。

 「生きることは、七割が辛く苦しい。それでも試練を乗り越えた時、三割の喜びが待っている。そして人はまた強くなる。」三年以上もコロナ禍での生活を強いられてきたからこそ胸に染みる言葉です。
 

今年の四月は私たち全員にとっても新たな門出となりそうです。
 

皆様、どうぞお元気にお過ごしください。
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